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夢というかなんというか

最近夢見が悪い。

というか、夢の中での体験のせいで、起きてからばつが悪い。特段怖い思いをするとか嫌な記憶がPTSD様に引き起こされるとか、そういう夢がないわけではないのだけど、奴らは単体ではそこまでのダメージを与えにはこない。僕は自分が自分である夢しか見たことがないためか、夢の中でやってしまった失敗についてアァーと攻撃を食らうことが多いのだ。そしてこいつらが如何ともたちが悪いのであった。第三者目線からの夢を見る人間も世の中にはいるそうだが、彼らにとって、このような夢の中での失敗の恥ずかしさを感じることはやはり難しいのだろうか。いやそもそも普通は気にしないものなのか?

夢は現実に起こったことを脳が整理している過程らしい。そう思うと、先に述べたような嫌な記録の亜再生(全く同じでなくとも、ほぼ同じ状況として夢の中に還元される)はそこまで起床してから憔悴させられるものではない。むしろ夢の中でしか起きていない出来事、つまり個人的体験として「1回目」であり、そしてやっちまった物事は変にばつの悪い記憶として残るのである。そしてそもそもその記憶は「この世界では」他の誰の記憶にも残っていないという。まさに覚えていても誰も得をしないし誰の為にもならない記憶。是非とも海馬と大脳新皮質にはもうちょっとまともな記憶の順番付けをして頂きたい。君たちは間違っている。

一応夢の中で僕が誰かと君の名はしている可能性もあれば、胡蝶之夢パターンで今の僕が夢の中だと思っている僕が本体の可能性もあるのでこの世界では、という注釈を付けさせてもらった。ちなみにこのなんとも香ばしい注釈を付けるに至った理由はそれなりにある。

どうにも、いちいち世界を救う羽目になるのである。

同じ世界だったり、異なる世界だったり、地球規模だったり、都市規模だったり、はたまたご近所付き合い規模だったりするのだが、どうにも、寝ると、世界を救う羽目になるのである。そして初めにお伝えしたばつの悪さはこの点において大きく関わっている。

世界を救う物語が終わる前に起きる時間になってしまうのである。

つまり毎回毎回世界を丸投げしている。救う流れになったにもかかわらず。申し訳なさすぎる。これがばつが悪くなくて一体なんなのだろうか。脚本家はその脚本にGOサインを出す前にもう少しこちらの世界のこの僕の起床時間を考慮した方がいいと思う。

もしかしたら僕の意識というものはもう一次元か二次元上の世界でなんらかの形でクラウド化されており、複数の行為主体が僕の意識にメタ的にアクセス可能であるからこんなことが起きているのかもしれない。そして僕が僕として感知できる意識は1つしかないので、バラバラと世界を救う羽目になるのだろう。その場合脚本家もなにもあったものではない。クラウドサービスを作った奴が悪い。どうにかして欲しい。もっとも、僕のこの状態は次元が異なるため彼らには認知ができないのであろうからどうしようもないのだが。そんなこんなで時々ゲームの中の主人公達に同情したりする。触らなくなったゲームに償いを。

終わった物語はキャッシュから削除されている可能性がある。だから僕には「また世界を救えなかった」記憶しか残らないのかもしれない。また世界を救えなかった、ってなんだ、主人公か、っていう。主人公です。今回の話は僕が主人公であることを前提に進んでいる。

 

夢見が悪いのはこの世界から二次元上にいる奴のせいだいう結論になった。さて、今日僕は何を救い、何を忘れ、何を救えなかったと記憶することになるのか……。その記憶自体は「僕」のものであるということは、やはり不思議なものである。